2020/02/06
1.メーターパネルの警告灯が点灯したため入庫しました。アイドリング時もエンジンは安定しています。また白煙等も出ていません。
2.診断機をあてて異常を確認すると、DMEミスファイア検知シリンダー1と表示。これは、1番シリンダーに完全燃焼されていない状態であることを示していま
す。画像はありませんが、1番から4番までのミスファイアの状態をリアルタイムで測定してみると、1番のみ約1秒ごとにミスファイアが確認されました。このミスファイアを検知しているのはクランクセンサーです。
クランクセンサーとカム角センサー(上死点センサー)により気筒判別および各気筒への燃料噴射時期を検出し、インジェクタにより各気筒へ噴射をしています。
クランクセンサー信号は、クランクシャフトのパルサローターに取付けられた起部に対向させて取付けられたクランクセンサーにより検出されています。
また、上死点(TDC)信号、気筒判別信号はカムシャフトのパルサローターに
取付けられた5つの突起部と、突起部に対向させて取付けられたカム角センサー(
上死点センサー)により検出されます。各センサーは、回転する突起部に合わせてパルス信号をECUに送って、ECUは2つのセンサーの情報から、点火時期、燃料噴射時期、噴射量を算出しています。また、突起部のスピードも検知しています。これにより、1番の爆発時のクランクの回転のスピードが遅かったため、診断機では1番ミスファイアと表示されました。
この情報を元に各シリンダーの圧縮比を測ってみると、他のシリンダーは9kg/c㎡に対して、1番シリンダーの圧が7kg/c㎡と低く圧縮漏れを起こしていると確認出来たため、ヘッドを分解することにしました。